松山英樹◇世界選手権シリーズ◇WGCブリヂストン招待 最終日(6日)◇ファイヤーストーンCC(オハイオ州)◇7400yd(パー70)

2011年にスタートした米ツアー出場から100試合目となる世界選手権シリーズで5勝目をあげ、松山にとって2つ目の世界選手権タイトル獲得。

区切りとなるゲームで圧巻の逆転劇。
首位に2打差の4位から1イーグル、7バーディ「61」をマーク。
通算16アンダーとし、今季3勝目を挙げた。




スタート直後の2番(パー5)、残り217ydの第2打を4Iでグリーン奥にこぼした松山は、LWで下り傾斜を転がし、チップインイーグルとトップとの2打差をあっという間に縮め首位に並んだ。

続く3番、残り217ydの2打目でピン左1mをとらえてバーディ。
「昨日のラウンド後の練習ではよく仕上がっていたが、今朝は悪すぎてショックだった」
というショットは、1番でUTでのティショットを左に曲げた時点で
「原因が分かった」という。

自信を感じながら次々にチャンスをつくり、6番で3.5mのバーディチャンスを活かすと、
単独1位に立ってトーナメントを引っ張った。
単独トップになっても、焦らず、集中した試合運び。

本人は、「出だしが良かったので『崩れるパターンかな』と思った。
状態が良くないのは知っていたので、崩れないようにしたいと思っていた」。

ピンチもあった。ティショットを左ラフに曲げた12番(パー3)はウェッジで寄せてパーセーブ。

続く13番は362ydのロングドライブが、左サイドの木の枝葉が気になるセミラフに飛んだが、
PWでフックをかけて木をかわし、ピンそば2.5mに。
危ない局面をひっくり返しバーディ。
後続に2打差をつけて迎えた“モンスター”の異名を持つツアー最長ホール、667ydの16番(パー5)から立て続けに3連続バーディを奪い、憧れのタイガー・ウッズが13年大会にマークしたコースレコード、9アンダー(61)に並んだ。
アマチュアとして出場した2011年「マスターズ」から、13年秋の本格参戦を経て、米ツアーは今大会がちょうど100試合目。

「無理だろうなって思っていたけれど、勝率が4%から5%に上がったので良かったと思う」と笑った。

4大メジャーに次ぐ格式を持つ世界選手権シリーズは、昨年10月の「WGC HSBCチャンピオンズ」に続く2勝目。

節目のゲームでツアーのポイントランキングでもトップに再浮上。

これで、フェデックスカップ年間王者という快挙に近づいた。

次は、次週「全米プロゴルフ選手権」(ノースカロライナ州クエイルホロークラブ)で、メジャー初優勝をかけて戦う。

松山の「今週は自分に期待せずにいったらうまくいった。来週も期待せずにいったら、うまくいくんじゃないかなと思います」という言葉通り
のびのびゴルフを見せてくれるだろう。

18番グリーンで行われた表彰式でのインタビューでは、「きょうはスタート前のウォーミングアップ(練習場での仕上がり)が最悪だったので、こんなに素晴らしいラウンドができるとは思わなかった。最後まで信じられませんでした」と話すと

と、大観衆が爆笑の渦に。

メジャー初制覇へ期待がさらに高まる優勝だった。